2017年8月14日月曜日

下町のフルコース (日暮里「花家」「あづま家」)

日暮里駅から谷中銀座へ至るゆるーい坂道、御殿坂。

その昔、この御殿坂には「乞食坂」という異名があったそうです。
一帯に寺が多く、門前には常に多くの人々が行き来していたこと、加えて坂上には
繁華街があったため、物乞いの人達にとっては絶好の稼ぎ場所。坂下(駅のほう)には
乞食小屋集落があったとか。

もっとも、それは江戸時代の話。
現在の御殿坂は昭和の雰囲気を色濃く残す、落ち着いた居心地の良い場所です。


さて、日暮里駅西口からその御殿坂を歩いて2〜3分ほどのところに、2軒の古い甘味喫茶が
並んで建っています。

駅に近いほうが「あづま家」。その隣が「花家」。


↑(あづま家)

(↑花家)


同業種のお店が隣り合っていること自体ちょっと珍しいですが、
この2軒にはさらに驚くべき業態の共通点があります。それは、

「甘味処なのに町中華メニューが本格的に充実し、さらに酒まで飲める」

・・・という、実に面白い飲食店である点。このようなスタイルのお店が
2軒並んで営業しているのは日本広しといえどもここだけなのではないでしょうか。


猛暑がやわらいだ8月11日、
私は町中華探検隊「甘味中華アタック」に参加し、この両方の貴重なお店を
ハシゴしてまいりました。
参加者は増山かおりさん、久保拓英さん、ひざげりさん(以上エントリー順)、
そして私、八百谷。

4人いるので当然ここは二手に分かれ、増山さんと久保さんは「あづま家」へ、
ひざげりさんと私は「花家」へと入店。

「花屋」の店内は比較的細長く、テーブル席のみ。船のキャビンを思わせる、
古いけれども洒落た内装です。このへんはさすが甘味喫茶ですね。
奥のキッチンでは年配の男性が調理し、フロアではやはり年配の女性二人が
オーダーをとったり料理を運んだりお会計をしたり。いい雰囲気です。

それにしてもやはり驚きのメニューです。
クリームあんみつや白玉ぜんざい、季節もののかき氷やスイカジュースなどなど、
豊富な甘味メニュー。そして!広東麺やチャーハンやカツ丼などの町中華メニュー!
季節によってはあさりラーメンや牡蠣ラーメンなどという築地場内「やじ満」みたいな
ものも食べられるようで、「片手間に軽食を出している」のではなく「本気」を感じます。

驚異のメニューを眺めつつ、まずはひざげりさんとビールで乾杯。餃子もオーダー。
ビールはキリン、アサヒ、エビスと3種も取り揃えられ、他に日本酒や焼酎、ハイボール
などもあったりします。お通しには枝豆。最高の前菜ですねー。


(↑餃子。大きくておいしい)

キリンビール一番搾り「東京に乾杯」を酌み交わしているうちに餃子が到着。
大きいですねー。それにいい色!これは確実においしいやつです。


(↑餃子アップ)

色合いからも想像できるように、しっかりと味のついた餃子で酢醤油なしでも
おいしく食べられます。薄皮だけどもっちり、肉汁もジューシー。ニラが多くて
生姜も効いてます。これはかなりのクオリティー。

2人で餃子をシェアし、ビールもアサヒスーパードライに切り替えつつ、
今度は麺類を注文。私は「謎の多い町中華メニュー」として名高いチャンポン。

ひざげりさんはチャーシューワンタンメンを注文したのですが、ここで大きな謎が浮上。
どういうわけか、チャーシューワンタンメンとチャーシューワンタンが同じ値段なのです。これはいったいどうしたことだ。麺は大サービス?

ほどなくして先に到着したチャーシューワンタンメンを見て、その謎は解けました。
麺の量が通常の半分くらいなのです。これ、1人で来て餃子を1皿注文し、麺もたいらげる
ような場合にちょうど良い量かと思います。これはこれで優れたサービス。

そんなこんなで私のチャンポンも到着!


(↑チャンポン)

写真をごらんください。
「花家」のチャンポンはもちろん長崎チャンポンとは似て非なるもので、
塩味スープのラーメンにあんかけ肉野菜炒めとかきたまを載せたもの。
一部のお店で「タルメン」として供されているものと似ています。

あっさりスープも小エビが3匹も入ったあんかけ肉野菜炒めもおいしいんですが、
何と言っても特筆すべきは麺です。真っ直ぐでかためで歯切れが良くておいしい!
大崎広小路の名店「平和軒」の麺に少し似ていますが、もしかして自家製でしょうか?

ビールと料理をたっぷり味わい、お会計の際に
「こちらは創業何年ですか?」
と尋ねてみたところ、なんと創業は戦後すぐの72年前!昔はお汁粉が名物で、
開成高校の生徒達に人気だったそうです。頭が良くなるお汁粉ですね。

お店を出て、増山さんと久保さんが待つ「あづま家」へと移動(隣だから超便利!)。


(↑「あづま家」のみつ豆・あんみつ・フルーツパフェ)

久保さんは用事で帰ってしまったので、3人でしっかり甘い甘味をいただきつつ、
本日の成果を楽しく報告し合いました。

前菜からお酒・メインディッシュ・デザート。レベルの高い下町のフルコースが
たっぷりと堪能できる甘味中華、侮れません!



0 件のコメント:

コメントを投稿